昨日一日の間に健康と眼鏡と自転車を修復可能な範囲で破損し (風邪をうつされ、フラフラ歩いていたら閉じかけたドアにこめかみから激突し、チャリは朝起きたらパンクしていた。前日の夜は普通に乗って帰ったのに…) また人生に対して後ろ向きになりがちだったのだけれど、眼鏡が、MEGANEが無ければまさしく俺はお手上げ (発明したやつの名前は俺も知らない) なので今日は奮起して街に出た。風邪はそこそこ。

 歪んだ眼鏡を無理やりかけて、自転車ではなくバスで通町筋まで。バス停から道を挟んですぐそこにある眼鏡屋へ入り、直せないか訊いてみたが数日かかるとのこと。ならばと最近試してみようと思っていた使い捨てのコンタクトレンズを作ってもらおうとするがその店では扱っておらず、代わりに近くのコンタクトレンズ屋を教えてもらう。教えてもらったのとは別の眼鏡屋へ。なんだか眼医者の処方がいるとかで、めんどくせーなと思っていたら、そこの二階が眼科だった。鍵屋と泥棒ばりにバランスの取れた商売だ、みたいな事をちょっと思う。眼科は意外と混んでおり、30分ほど待たされる。待たされている間、どこかの患者夫婦が抱いていた乳児と目が会う。あまりに純粋無垢な瞳で見つめてくるものだからトラウマを植えつけてやろうと決意し全力で睨み付けるが、あまりに純粋無垢な笑顔を返されしかも先に目を逸らされた、というか飽きられたので口惜しくなる。

 看護婦に名前を呼ばれ、視力検査。眼科の看護婦ってなんか普通の? 注射器とか包帯とか持ってそうな? 看護婦とは違うような気がしたが何も知らないので看護婦だと言うことにする。裸眼で両目とも0,02。しかもどうやらここまで悪いと測り方が適当くさい。ショックを受ける。その後目に光を当てられたり強い風を当てられたり目の下に細い糸を突っ込まれたりし、(糸は涙の量を見るためのものだそうで、濡れるとリトマス紙の様に色が変わる) 今度は物々しい眼鏡をかけさせられそのレンズをとりかえつつ視力検査。間違ったり 「わかりません」 と言うとすごく申し訳ないような気になり、普段なら絶対にしないぐらい一生懸命睨み付ける。あれで測るべき数値が測れたのだろうか。

 そして選ばれたコンタクトレンズを、看護婦に、ナースに、白衣の天使に入れてもらう。目周辺の筋肉が恥ずかしくなるほど抵抗し、お互いに苦労する。申し訳なくなる。入れた後、しばらく涙が止まらない。見かねた天使がティッシュをくれた。その後、取り扱いの説明を受けつつ取り外しの練習をさせられたがなかなか上手くいかず、恥ずかしい思いをする。混んでいるのにこんな間抜けに付き合わなければならない天使にはつくづく申し訳が無い。自分だったら、「大丈夫ですよ」 と笑ってやれるだろうか…

 ようやくこつをつかみ (力ずく) どうにか終了。酷い目に遭ってばかりなので腹いせに金を使ってやろうという気になり、パルコで蛸足配線とピックと帽子とロッソのライブアルバムと菅野よう子のサントラを買う。家に帰ると疲れたのか熱がどっと上がり、練習を休ませてもらいバイトまで寝る。バイトにもバスで行かなければならず、帰りは歩きだと思うと憂鬱だったが、今さっき全て終了。風呂に入ってCDをまた聞いて、寝る。