椿屋四重奏が十月に熊本にいらっしゃるというので、コピーバンドのメンバーで揃って見に行くことになった。今からとてもわくわくする。バンドを始めて以来、平均して月に5回はライブハウスに行っているので、いい加減妙に慣れすぎたというかぶっちゃけ飽きたというか、そんな感が否めないので、こんなわくわくは本当に久しぶり。下手したら高校の時以来じゃないのか。ちなみにコピーバンドの方は、直前の練習まで不安だったのにいざ本番でステージに出てみたら、なんか割りと上手くいった感じ。見に来た友人に、「キレてんのかと思った」 と言われたが超ご機嫌だった。人間やるしかなくなったら結構なんとかやれる。案ずるより生むが易し。

 7月にファッキンツタヤ書店を辞めて以来、イベントの音響屋のバイト (日雇い) に何度か行った。行ったというか、先輩に連れて行ってもらった。朝7時に起床して、ブッ倒れそうな程の日差しの下で俺より重いアンプやら何やらを押したり引いたり担いで運び、何が何だか判らないごちゃごちゃしたケーブルを繋ぎまくり、演奏中にトラブルがあったらすぐ走っていけるように突っ立ち、夕立が来たら大慌てで機材を梱包したりテントの下に運び、帰りの車の中で自分の匂いに吐きそうになる仕事です。しんどい上に、体力も知識もまるでない俺にはお金を貰ってしまうのが申し訳なくなるので行く度にもう二度とやらないと思う。ていうかもうやらないようにしよう。これで、口汚くどやされながらだったりしたらまだいいが、みんないい人なのでむしろ気を使われている感があって辛い。無理。ツタヤでさえ天国のように思えるようになると、もはや精神まで健全だとは言い難い状況だ。

 ただ、全身が筋肉痛になる仕事というのは妙な充実感がある。脳から変な汁でも出るんだろうか。それに、今まではどこぞの野外イベントでステージに設置されている巨大なスピーカーなんかを見ても、まるで当たり前のようにそこにあるので何とも思っていなかったのだけど、それも誰かがうんうん言いながら運んで行ったんだよなあ、てな事を身をもって思い知った。ごく小さな部分ではあるけれど、世界の極々一部をまた知った。多分いい経験だったのだろう。二度としないけど。

 その後なんとなく固定のバイトを探す気になれず、しかしそういうわけにも行かないので、とりあえずグッドウィルに登録しに行った。ピンハネ企業の代表格ですね。しっかり搾取されてきまーす。ていうか早くちゃんとしたバイトを見つけよう。