三連休毎日ライブに行っていた。椿屋四重奏、デイズという熊本のバー設立11周年記念イベント (レディオキャロライン参加)、ダフのイベント の三つ。そのうち長ったらしく書くぜー明日辺り。酒頼みに行ったら目の前にウエノコウジが並んでて心臓が止まりそうになったりした。

アンクルボムというバンドにサポートとして加入したと思っていたら、解散した。

 リーダーのN氏が気を病んだ、というより今はあまり病んではおらずどちらかというと 「低い」 ところですっかり落ち着いている。「実家に逃げ帰る」 のだそうだ。とりあえずは勉強して司法書士だか何だかの資格を取り就職し、「金持ちの嫌らしい大人になってこれ見よがしに高級車を乗り回しでかい家にでかい犬と暮らす」 のだと。おそらくはそう遠からぬうちに、かなり近いレベルまで実現してのけるはずだ。でかい犬、に関しては、犬好きだったというのは初耳だったし適当なことを言ったのかもしれないが。

 ヤンキー上がりで信じられないほど頭が切れ行動力に富み暴力的に見せかけようとしてはいるが繊細で酔狂を好み人を好み概ねいつも涼しい顔をしていることが出来る、という風に俺の目には映っていた彼が俺のざっと倍の時間バンドマンとして生きている間にどれだけの苦労をしどれだけ悩み落ち込み迷ったのだか、想像も付かないのだけれど結果としてそういう事になった。本人が元々優れている上に必要以上に冷えた頭で考えてそういう結論に付いたのならもう何も言えるわけもなく、家財道具を処分しに行くのに付いていく。ついでにようやく、邪魔者以外の何者でもなかったうちのテレビも処分する。助かった。冷蔵庫まで処分していたのだから、来週中に引っ越す、と言っていたのはやはり本気なのか、と憂鬱になる。

 その後飯を食い (おごってもらった)、色々な、本当に色々な話を聞きながら、適当に車を走らせる。神社に行き、宮本武蔵の墓に行き、エロ本屋に行った後、家まで送ってもらい、別れた。

 実は結構、ほんとうにこれで終わり? という気がしている。まあ終わるんだろうなあ。ああもうどうでもいいクソが。

 椿屋四重奏が十月に熊本にいらっしゃるというので、コピーバンドのメンバーで揃って見に行くことになった。今からとてもわくわくする。バンドを始めて以来、平均して月に5回はライブハウスに行っているので、いい加減妙に慣れすぎたというかぶっちゃけ飽きたというか、そんな感が否めないので、こんなわくわくは本当に久しぶり。下手したら高校の時以来じゃないのか。ちなみにコピーバンドの方は、直前の練習まで不安だったのにいざ本番でステージに出てみたら、なんか割りと上手くいった感じ。見に来た友人に、「キレてんのかと思った」 と言われたが超ご機嫌だった。人間やるしかなくなったら結構なんとかやれる。案ずるより生むが易し。

 7月にファッキンツタヤ書店を辞めて以来、イベントの音響屋のバイト (日雇い) に何度か行った。行ったというか、先輩に連れて行ってもらった。朝7時に起床して、ブッ倒れそうな程の日差しの下で俺より重いアンプやら何やらを押したり引いたり担いで運び、何が何だか判らないごちゃごちゃしたケーブルを繋ぎまくり、演奏中にトラブルがあったらすぐ走っていけるように突っ立ち、夕立が来たら大慌てで機材を梱包したりテントの下に運び、帰りの車の中で自分の匂いに吐きそうになる仕事です。しんどい上に、体力も知識もまるでない俺にはお金を貰ってしまうのが申し訳なくなるので行く度にもう二度とやらないと思う。ていうかもうやらないようにしよう。これで、口汚くどやされながらだったりしたらまだいいが、みんないい人なのでむしろ気を使われている感があって辛い。無理。ツタヤでさえ天国のように思えるようになると、もはや精神まで健全だとは言い難い状況だ。

 ただ、全身が筋肉痛になる仕事というのは妙な充実感がある。脳から変な汁でも出るんだろうか。それに、今まではどこぞの野外イベントでステージに設置されている巨大なスピーカーなんかを見ても、まるで当たり前のようにそこにあるので何とも思っていなかったのだけど、それも誰かがうんうん言いながら運んで行ったんだよなあ、てな事を身をもって思い知った。ごく小さな部分ではあるけれど、世界の極々一部をまた知った。多分いい経験だったのだろう。二度としないけど。

 その後なんとなく固定のバイトを探す気になれず、しかしそういうわけにも行かないので、とりあえずグッドウィルに登録しに行った。ピンハネ企業の代表格ですね。しっかり搾取されてきまーす。ていうか早くちゃんとしたバイトを見つけよう。

 さて新しく誘われたバンドの顔合わせに行ってきたわけですが。自身の勉強不足がここぞとばかりに大挙して押し寄せ祟り災いし、もうなんていうか何も出来なかったなあ。軽くセッションした程度で、殆どは喋くってたんだけど。ドラマーがジャズ上がりだと聞いていながら、全くジャズを聴こうともしていなかった。なんかね、聴いてもあんまり面白くないもんね。感性の幅が狭いからね。クソが。

 ジャズの癖 (と言っていいのかどうかはともかく) が全くわかりません。ロックならこう、なんというか、アクセントが来そうな雰囲気が判ったりパターンに合いそうなフレーズが浮かんだりすることもあるんだけれども。理解も表現も閃きもまるで無い、ドラムに始終振り回されっぱなしのほんとへたれたベースを弾いてしまった。クソが。先が思いやられる。



 あと、実家に帰ってきました。予想通りというか当然というか、ほんとおこられた。(僕は大学に入学して以来、2留が確定し自動車学校を金払った上でブッちぎり窃チャリで前科が付きと、信長の天下取りにおけるそれに匹敵する行動力で親の金と信頼をドブに捨てまくっています) そろそろ人生について深刻に考えないといけないのかな。(ちょうめんどくせえ) でも姉が、誕生日プレゼントと称して椿屋四重奏の深紅なる肖像を買ってくれたので割と幸せです。

 日雇いのバイトを一つとロッ研の合宿で海に行ったら、ものすごく日焼けし悶絶していた。Tシャツの袖の中と外でくっきり色が変わり、「ポッキーみたいですよ」 という後輩の一人の評が見事に的を射ている。今は痛みも落ち着いて、赤から黒に変わってほんとにポッキーみたい。

 今年の3月に一緒にバンドを組んでいた先輩らが卒業し、それ以来は一つしかやっていなかったのだけれど、この前またバンドに誘われた。足首爆弾 を英語で表記した名前のバンドで、俺が大学に入る前からやっている、そろそろ10年選手になろうかという大先輩だ。初期の3ピースから一度ベースが代わり、同時にギタリストが一人加入、そして残念なことに数ヶ月前ベースとドラムが抜けた。現在初期メンバーはギターボーカル (ナガタさんという人) しか残っていないことになる。人にはそれぞれ事情があり、複数の人間が揃って一つのことを成し続けるというのは難しい。

 昨日その足首ボムのライブを見に行った。現在、というか昨日一度で終わりの構成だが、ドラムは打ち込みでベースはA氏。A氏は一回きりでクビになるらしい。まあ大して上手いとは思わないけど、俺の方が明らかに上だ! と言い切る自信も無いなあ… というかはっきり言って俺はベースが苦手だ。ギタリストのユウキさんという人がA氏のベースについてボロクソ言っていたけど、その後釜が俺で果たして大丈夫なんだろうか。どうしよう怒られる… それから、ドラムもある人を誘っているらしく、顔合わせが来週の日曜に行われることになった。

 緊張する。何しろアンクル爆弾といえば、少し前は熊本ではそこそこ有名でメンバーどれを取っても一流と言って差し支えないほどのバンドだったのだ。特にベース前任者を個人的にとてもとても崇拝しているので、俺なんかがやるのはおこがましくてあつかましくて図々しい事のような気がしてならない。もう冒涜だ、ほとんど。いややるんだけどね。というか実は、また鍛えられる良い機会が来たぐらいにこっそり思っている。